お知らせ



2013年10月29日火曜日

「三保松原音散歩」終わりました。

日本サウンドスケープ協会まち・音・ひと・ねっとワーキンググループ主催、ブンテックNPOグループ「音の泉サロン」共催による「三保松原音散歩」が、9月29日(日)、無事終了しました。

当日はお天気にも恵まれ、絶好のおさんぽ日和!海岸からは富士山を仰ぐことできました。この時期にしては大変珍しいとのこと。(^^)v

参加者は、6組の親子を含む18名(内、こども9名)。スタッフを合わせて21名での散策となりました。

開始時間の午後1時少し前から、参加者の皆さんが続々と三保生涯学習交流館に集まってきました。

まずは、イントロダクション。
地図を見ながら歩くルートについて確認したほか、「音の風景って?」「音散歩って、どんなことするの?」について、簡単にレクチャーしました。

そのあと、部屋の窓を開けて、耳をひらくウォーミング・アップ。
どんな音がきこえてくるか、じっと耳をすましてみました。
車の音、人の声の他、鳥の鳴き声もきこえてきました。

そして、三保生涯学習交流館を出て、いよいよ音散歩に出発!

三保松原へと続く「神の道」を歩きながら、きこえた音を、それぞれの地図に書き込んでいきました。参加者をあらかじめ4つのグループに分け、グループ毎に行動しました。

沿道の車道には、車やバス、バイクがたくさん通り過ぎていきました。「バイクの音って、こんなに大きかったんだね」と、あらためてその騒々しさに驚く声も。


三保松原に到着してからは、新はごろもの松→旧はごろもの松→海辺 の順に、音散歩しました。

新はごろもの松の前では、聞こえた音を全部書き出して「音のリスト」を作成しました。

旧はごろもの松のところでも、音リストを作成。波の音もかすかに聞こえた..ような?
観光客の賑わいに消されて、海の音は耳に届きにくかったです。


続いて、海辺へ。

海辺では、後ろ向きになって、波が近づいては去っていく様子を聴覚だけで感じるてみました。ドーン、バラバラ、サー.....などなど、みんな思い思いの表現で、ワークシートに書き出していきました。

「はじめは何もきこえない」と、無音の瞬間があると気づいた子もいました。拍手!
「音がきこえない」ことも、音の環境なのです。


海辺から松原に戻る時は、自分の足音が変化する様子を書きとめていきました。砂浜には、いろいろな大きさの砂や石があることを、足音が変わる度に発見していきました。


↓参加者(小学生)が記録した、足音の変化の様子です。


ところで、この「三保松原音散歩」では、地元・静岡市清水区折戸にお住まいの大村優子さん作のイラストを、マスコットキャラクターとして、名札はじめワークシートや課題カード、「リスニングタイム」を知らせるウチワなどに使わせていただきました。

マスコットキャラクターの名前は「てんにょん」


「てんにょん」という名まえは、この音散歩のために大村さんが考えてくださいました。ご協力どうもありがとうございました。m(_ _)m

てんにょんは、こどもたちにも大人気で、皆さん、お帰りの際、てんにょんのイラスト入り名札をお持ち帰りになりました。

さて、海辺から松原に戻った後は、観光客が比較的少ない松林の中で、音風景スケッチをしてみました。自分の周り360°から聞こえてくる音を、線や図、絵であらわすのです。

ここはとても静かでしたが、よーく耳をすますと、虫の声が、そして遠くからは波の音や車の音なども聞こえてきました。


三保の松原での散策を終え、再び神の道を通って、三保生涯学習交流館に戻りました。

交流館では、グループごとに、神の道や三保の松原で聞いた音を付箋に書き出して大きな地図にペタペタと貼っていき、音マップを完成させました。


神の道音マップ


三保の松原の音マップ。たくさんの音が聞こえました!


音マップを完成させた後は、好きだった音、きらいだった音、未来に残したい音などをワークシートに書き出しました。これは、きいた音に対してどう思ったかを「振りかえる」ための大切なワークです。

♡好きだった音ベスト3
 ふえの音、海(波)の音、鳥の声

▲きらいだった音ベスト3
 車の音、食器の音、人がたくさんいて騒がしい音

◎三保松原ならではの音
 波の音、松葉を踏む音、砂浜を歩く音
 その他、楽しい会話、雰囲気を楽しむ音なども。

★未来に残したい音
 波や海の音、砂を踏む音、松葉を踏む音
 その他、ザー、コロン、サラサラ などとオノマトペで書いた子も。

神の道や三保松原を歩きながら、鳥の声や波の音などの自然の音・車や船などの機械の音・話し声や足音など人が出す音...たくさんの音を発見しました。

参加された皆さん、たいへんお疲れさまでした m(_ _)m

世界遺産に登録され、さらに行楽シーズンと相まって、想像以上に車や人の喧噪音で溢れていたことに驚きや戸惑いを感じた方が多かったようです。反面、それらの音は今の三保松原を象徴する音でもあり、活気があると好意的にとらえた方もいました。

さあ、未来の三保松原にはどんな音がきこえているのでしょう?