この企画展では、期間中、ほぼ毎週土曜・日曜に、日本サウンドスケープ協会とのコラボ企画として、「サウンドスケープの教室」が開講され、多種多様な音の世界との関わり方を紹介しています。詳しくは→こちら
そして、11/3(日)には、「音の泉サロン」のスタッフが講師として登壇。「まちの音に耳をすまして、まちを再発見」というタイトルで、私たちが行っている「音風景でつづる家康の散歩道」の活動を中心に、プレゼンテーションをしました。
プレゼンは、参加者に、実際にまちで録音した音を聴いていただき、何処で録った音なのかを当てるクイズからスタート。
茶畑の音風景を流した時は、「へえー」という驚きの声があがりました。それもそのはず。スピーカーからは、ウグイスや鳥たちの鳴き声にかぶさるように「ブーン」という機械音が聞こえてきたからです。
多くの人には「茶畑」「茶摘み」というと、人々が手摘みをしている風景がインプットされていますが、残念ながら、現代では、人々の手ではなく、機械(茶刈り機)によってお茶が「刈り取られ」ているのです。
ですので、現在の茶畑の音風景は、のどかな鳥たちの鳴き声に混じって、茶刈り機の機械音が響き渡っています。昔は茶摘みの時期には、一家総出どころか、親戚や手伝いの人々も集まって大変な賑わいでしたが、今は作業をする人の数も、極めて少なくなりました。
かくいう私も、幼い頃は母に連れられて親戚の茶農家へ手伝いに行ったものです。(と言っても、ほとんど助けにはならず、遊びに行ったようなものでしたが)
今は、広い茶畑に人影はまばら....昔聞こえていた人々の笑い声、子どもたちの遊ぶ声などはなく、機械音が響く中、2〜3人で黙々と作業をしています。
音風景は、時代によって移り変っているという良い例を示すことができました。
クイズの後は、ビデオや写真などで「音風景でつづる家康の散歩道」の行程を見ながら、各スポットの環境音を聴いていただく趣向にしました。
題して、「バーチャル・サウンドウォーク 音風景でつづる家康の散歩道」
終了後に、大変熱心に質問してくださった方がいました。会場には、私たちがこれまでに行った活動「音風景でつづる家康の散歩道」および「三保松原音散歩」での参加者が書いた音の記録や、活動の様子を綴った写真集などを展示していたのですが、それらも興味深くご覧になっていました。
プレゼンの進行そのものについては反省すること多く、経験不足を痛感しましたが、こうして、少しでも多くの方に私たちの活動を伝えることができ、嬉しく思いました。準備は大変でしたが、やって良かったなとシミジミ....
お近くにお住まいの方、またはお近くお出かけする予定の方、ぜひ、千葉県立中央博物館に足をお運びください。